OINARI
2024/01/20
2024年1月14日、東京・渋谷にある東京デザインプレックス研究所にて、プレックスプログラムの外部講師として2時間半ほど、講義+ワークショップを実施させて頂きました。
講義の内容は、私の紆余曲折中の「自己紹介」から始まり、「デザイン・伝統工芸・地方創生」について、40枚程度のスライドで事例や現状などを交えて構成しました。
デザインパートでは、Krebs Cycle of Creativityの概念をベースに現代のデザイン事例を科学面工学面との結び付きに絡めて解説。伝統工芸では全体像を紹介した後に南部鉄器や金属の特性について説明。地方創生では岩手県奥州市の現状やどのように地方をデザインすべきかを提案しました。
その後、「南部鉄器 x 〇〇」というテーマでワークショップを実施。グループに分かれて、南部鉄器と〇〇の掛け合わせによるアイデアを自由に考えてもらい、発表して頂きました。各グループが新しいPR手法/プロダクト/コラボレーションなどユニークな視点を持っていて、私としては多くの学びを得ました。何よりも短い時間の中で、即席のグループ内で漠然としたテーマから自らテーマを絞って結論を出す姿から良い刺激を頂いたと感じています。
南部鉄器そのものについては予想通りというべきか、参加頂いた方の大多数が、名前は知っているけど実際に使ったことがない、今日初めて見たといった反応でした。もっと多くの人に触れてもらうきっかけ作りをしていかなくてはいけないと再認識しました。
なぜ反応が予想通りかというと、自分自身がほんの1年前は正に南部鉄器という名前だけ知っていた状態だったからという点と、この半年間色々外部の方に南部鉄器について聞いてまわった感触からです。参加者の中には岩手県出身の方がいたのですが、その方もあまり南部鉄器に関わりがなかったようです。
(お一人北海道出身の方がいたのですが、鉄瓶があって利用されていたそうで、おぉレアな人!と南部鉄器に従事している身ながら思いました)
南部鉄器は、次の世代の人々にもっと知ってもらう/触れてもらう必要があります。
そうすることで、現在一番の課題である作り手減少や後継者問題を解決する糸口が見えてくると考えます。
これは南部鉄器に限った話ではなく、日本の伝統工芸の多くに当てはまることかもしれません。
OINARI